有川浩『植物図鑑』(幻冬舎文庫)
2013/10/02
最近、有川浩の本を書店で見かけるととりあえず買ってしまう病気にかかりました。
個人的には甘々な部分のある恋愛小説はあまり好きではないのですが、有川浩の小説だけはすんなり読めてしまうわけです。
この本も同じで、主人公のさやかの前にイツキという青年があらわれ、さやかはイツキに惹かれていくのですが、プロセスが特殊なのにとても自然。(何が特殊なのかは読んでみてくださいな)
全体の構成は細かな章立てになっていて章ごとに一段落していく形になっていますが、各章の終わりに入る一文がやっぱり上手いです。伏線をうまく回収していたり、何気ない描写を拾って活かしたり、盛り上げた空気をすとんと落ち着かせたり。「ああ、いいなあ」と思わされてしまいます。
おまけ。最近おもったこと。
本はざざーっと30分から1時間で流し読みするので、読み終わったときに「面白かったな」とか「良かったな」とか思える本は大抵「もっとゆっくり読めばよかったかな」「もったいなかったかな」とも思ってしまうのはちょっと悲しいものですね。
読む前からゆっくり読むべき本なのか分かればいいのに。それだと面白くないのか。