「母さん助けて詐欺」のナンセンスさを考える
2016/09/24
オレオレ詐欺が振り込め詐欺に改称されたとき、被害が激減したそうです。当時増えていた「オレオレ言わない」タイプの詐欺に即した名称を考えたからでしょう。
↑もはやなつかしいこの名称
振り込め詐欺という名称もだいぶ定着してきたと思うのですが、定着してきたがゆえの被害もやはりあるようです。
どういうことか?
そもそも振り込まない。
現金受け取り型のものが大半を占めているようですね。
それで。新しい名称が公募で決められたのですが、
朝日新聞デジタル:「母さん助けて詐欺」定着するか 振り込めも併用継続 - 社会
えぇっ……
このネーミングはどうなの……
「母さん助けて詐欺が最近ひどいらしいね。やっぱり母さん助けて詐欺にあわないためには普段からのコミュニケーションが大事だよね」
「そうね。やっぱり母さん助けて詐欺は怖いわよね」
って言うんですか。言いませんよ。言いづらいし。
ネーミングは「ネズミ講」「結婚詐欺」「マルチ商法」みたいにビシッと決まってる方が定着するじゃないですか。
「母さん助けて詐欺」だったらまだ「助けて詐欺」の方がマシですよ。
「母さん助けて詐欺」っていうのは状況に即しすぎなんです。
どうせ3年も経てば「母さん」以外に助けて助けて言う詐欺がでてくるんだから。
次は「父さん助けて詐欺」ですか。「叔母さん助けて詐欺」ですか。
もちろん公募のメリットはあります。それは「公募すること」自体によって詐欺が変容していることを周知することができる点です。公募をTwitterでもやろうとした判断はすばらしいと思います。
でも、このチョイスはないよなぁ……
「アザラシの赤ちゃんの名前を募集します☆」とは話が違うのです。詐欺なのです。
ネーミング一つで被害が減ったり増えたりする可能性があるのです。
最後の選ぶ作業はプロに委託したのかなぁ、お偉いさんが「これじゃ!」って決めたのかな、なんて考えてしまうえじでした。
それでは。